2020年阪大 微分幾何

新年何か一つぐらい数学の問題をときたいと思ったので、

http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/inshi/kakomondai/2020/2020B.pdf

の[4]をときました。 問題をはると以下のようになっています。

image.png (200.3 kB)

実際にこれを解いていきましょう。 (1) まずヤコビ行列を定義にしたがって計算すると

\[\begin{pmatrix} 2 x_{1} & 0 & y_1 \\ 2 x_2 & 0 & y_2 \\ \vdots & \vdots & \vdots \\ 2x_m & 0 & y_m \\ 0 & 2y_1 & x_1 \\ \vdots & \vdots & \vdots \\ 0 & 2y_m & x_m \\ \end{pmatrix}^T\]

となります.

(2) \(V_{k,m}\)の条件を書き下すと \(|x|^2 =1, |y|^2 = 1, x\cdot y = 0\)となります.

よって\(V_{2,m}= f^{-1}((1, 1, 0))\)であり, \(f\)のヤコビ行列のrankがこの条件下で3であれば、沈め込みになり,\(2m-3\)次元の\(C^{\infty}\)-部分多様体であることがわかります.

この行列のrankを考えます. \(\sum x_i^2 > 0, \sum y_i^2 > 0\)の時, 1列目と2列目を考えることで,rankは2以上となります.

rankが2だとすると\(x,y\)は平行になるが, \(x \cdot y = 0\)の場合,\(x,y\)が平行とすると\(|x| =0\)となるので、\(x \cdot y \neq 0\)となります.

よってrankが3であることがわかりました。

これから求める条件がわかりました。

(3)は上の条件を高次元にしただけです。

\[\begin{pmatrix} 2 x_1 & 0 & 0 & y_1 & z_1 & 0\\ 2 x_2 & 0 & 0 & y_2 & z_2 & 0\\ \vdots & \vdots & \vdots & 0 \\ 2x_m & 0 & 0 & y_m & z_m & 0\\ 0 & 2y_1 & 0 & x_1 & 0 & z_1 \\ \vdots & \vdots & \vdots \\ 0 & 2y_m & 0 & x_m \\ \vdots & \vdots & \vdots \\ \end{pmatrix}^T\]

これが求められた条件でrankが6となることを確認すればよいです。

まず \(\vert x \vert = \vert y \vert= \vert z\vert = 1\) からrankが3以上であることがわかり,

もしrankが6でないとするとこの式の関係から\(x, y, z\)が同一平面にあることがわかります. しかしそれは\(x\cdot y =0, x\cdot z =0, y \cdot z =0\)と 合わせるとあり得ないことがわかります.

\(x = a y + bz\)とすると, \(0 = x \cdot y = a |y|^2 = a\)より\(a=0\)となり、同様に\(b=0\)となるためです.

よって示されました。 (採点基準は不明ですが、大学院の院試ならもう少し丁寧に書いたほうがいいかもしれません。でもさすがに明らかに同じ議論とわかっているのを丁寧に書くのは面白くないので、この程度にとどめておきます。)